大島青松園と沢 知恵を結ぶもの

大島青松園と沢 知恵のつながりは1960年代までさかのぼります。牧師になる勉強をしていた父、沢 正彦は青松園にあるキリスト教教会の霊交会でひと夏をボランティアとして過ごします。その後結婚し、生まれた長女を大島のみなさんに見せたいと、まだハイハイをしていた赤ちゃんを大島に連れて行きます。それが沢 知恵です。大島のみなさんは「みーんなで順番にだっこしたのよー」と昨日のことのようにおっしゃいます。

その父が89年にガンでこの世を去ります。沢 知恵が高校生のときのことです。それからしばらくして、大島から「あなたのお父さんからの手紙よ」と昔父が島の教会の方に宛てて書いた手紙を送ってもらいました。

また、熊本の地でハンセン病患者救済に尽力したライト女史と親交のあった祖父の沢 正雄も青松園とかかわりをもつようになり、自治会の発行する月刊誌『青松』にエッセイを連載しました。

祖父が亡くなった翌年の96年に、沢 知恵は約25年ぶりに青松園を訪れます。入所者のみなさんは、久しぶりの再会に涙してくださいました。それからは関西や四国方面で仕事があるとしばしば大島を訪れるようになり、いつしか大島でコンサートをしてみなさんにきいてもらいたい!と思うようになるのです。

その願いがかなえられ、2001年、初めて沢 知恵大島青松園コンサートが実現しました。

今年でそのコンサートも8回目となります。コンサートには全国各地からたくさんの方が来てくださいます。その輪は年々大きくなり、力強いうねりとなっています。

沢 知恵が父、祖父により大島青松園に結ばれたように、青松園コンサートが多くの方にハンセン病を正しく理解するきっかけとなり、またその輪がどんどん結ばれていくことを願ってやみません。

大島に、瀬戸内海に響け、沢 知恵のうた。

 

ハンセン病についてQ&A

Q.ハンセン病とは?
ハンセン病は、1873年にノルウェーのハンセン医師が発見した「らい菌」という細菌による感染症です。体の末梢神経がまひしたり、皮膚がただれたような状態になるのが特徴で、病気が進むと容姿や手足が変形することがあります。

Q.ハンセン病は治るのですか?
A.1943年にプロミンという薬が発見されて以降、100%治る病気となりました。ハンセン病患者ではなく、ハンセン病「元」患者あるいは回復者と呼ぶのはそのためです。身体の変形は後遺症によるものです。

Q.ハンセン病はうつるのですか?
A.感染力は非常に弱いです。その証拠に、この90年間で、療養所に勤務する人が感染したことはありません。遺伝病でもありません。

Q.どうして隔離政策がとられたのですか?
A.感染するのではないかと誤解された結果です。日本では1953年に「らい予防法」ができて、1996年にやっと廃止されるまで、国家政策として強制隔離をしました。療養所では厳しい環境における労働の他に、断種、堕胎などの強制手術も行われ、入所者は人権を侵され、心身ともに多大な傷を負いました。2001年、ハンセン病元患者が起こしたハンセン病国家賠償訴訟に勝訴し、国の過ちが全面的に認められ、和解が成立しました。

Q.ハンセン病療養所の現在の状況を教えてください。
A.全国には13の国立療養所があります。全国ではおよそ2,800人の方が生活をしています。平均年齢は79歳です。大島青松園には現在130人あまりの元患者が生活しています。大島青松園は唯一陸続きではない療養所です。

Q.ハンセン病の現在の問題は何ですか?
A.らい予防法は廃止され、国との和解も成立しましたが、その保障は不十分なものです。また、社会の偏見はなくなってはおらず、うつるのではないかという間違った知識のもと、差別もなくなっていません。現在では、元患者の高齢化が進み、元患者が長年過ごしてきた第二の故郷である療養所が統廃合されるのではないかという不安もあります。

Q.元患者の社会復帰は進んでいますか?
A.ほとんどの方は高齢のため、また身体障害や病気のため入所したままです。差別をおそれて家族と縁を断ち、改名している方も大勢います。コンサートで必 ずうたわれる《故郷》には、故郷はあっても帰る家のない元患者のみなさんの切 なる思いがこめられています。社会復帰とは、元患者のみなさんが社会に出るこ とだけではなく、地域が療養所をまるごと社会に受け容れていくことでもありま す。

Q.私たちにできることは何ですか?
A.ハンセン病を正しく理解すること。療養所を訪れる機会をもつこと。退所者と交流をもつことなどです。

 

カンパのお願い

過去6回の大島青松園コンサートは、みなさまからのカンパと沢 知恵の個人負担によって成り立ってきました。今後もコンサートを継続していくために、みなさまのさらなるご支援とご協力をお願いします。いただいたカンパは、沢 知恵とスタッフの交通費、機材運搬費など、コンサート運営経費のためだけに活用してまいります。お志をいただければさいわいです。

郵便振替口座 00110−0−667310
大島青松園コンサートを支える会